宝石で使うサンゴってどんなサンゴ?
サンゴの密漁や乱獲はよく話題になり私たちの耳に入ることも多いこの頃。それによってサンゴ礁が死滅して絶滅の危機になっているんです。そんな危機的状況を打破するために養殖を行い成功したというニュースも目にしますが、宝石として流通する珊瑚ってどんなサンゴを使っているの?そんな疑問の答えや購入するときに注意したいこと・購入してから注意したいことまとめてご紹介いたします!
宝石の珊瑚とは?
一般的なサンゴは触手の数が6本の六放サンゴというものですが、宝石に使用されるサンゴは8本の触手の八放サンゴになります。この八放サンゴは太陽光のほとんど届かないくらいの水温の冷たい深海に生息しています(水深100m以上)1cm成長するのに50年ほどかかるとも言われており希少価値があります。種類としては赤サンゴ、地中海サンゴ、桃色サンゴ、本ボケサンゴ、白サンゴ、黒サンゴ等があります。
最も評価が高いのは土佐産の血赤!
日本産の証「フ」とは?
出典:http://www.rakuten.ne.jp |
日本産の血赤珊瑚には原木の中心に人間の骨のような白い色の「フ」があることが特徴として挙げられます。 そのため原木をカットして丸玉を作ると2箇所白い色の「フ」が出て来ます。これは地中海産の赤珊瑚には見られません。高価な血赤珊瑚の丸玉では出来るだけ「フ」を避けて丸玉を作らなくてはならないのですが「フ」の無い大きな10ミリ以上の丸玉は日本製だと殆ど不可能となります。 写真の断面部分の白い核のようなものが「フ」になります。 |
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珊瑚にもいろいろあるんです。
珊瑚はたいへん種類が多い生物ですが、宝石として価値が高く扱われる珊瑚は限られています。それを日本では「宝石珊瑚」というカテゴリーで区別しています。
鑑別書での記載は宝石珊瑚の場合「天然さんご」、宝石珊瑚でないものは「天然さんご(貴重でない)」となります。
珊瑚の豆知識あれこれ
珊瑚の明確な鑑別基準は無い!?
ダイヤモンドのグレーディングレポートのように色味における明確な国際基準というものが珊瑚には無いため血赤、ピンク、白、黒などの珊瑚の色の区別に関する記載は鑑別に表記されません。
珊瑚の産地記載は定められていない!?
カラーストーンは鑑別機関によって産地証明が行われるものもありますが、現在、サンゴは産地記載が行われていません。産地に関する情報が気になるは珊瑚の特徴で判断するか、信頼のおけるバイヤー、宝飾店に聞きましょう。
天然珊瑚ならではの欠点とは?
珊瑚は何気圧もある深海に生息しています。その珊瑚が引き上げられることにより気圧から放たれた珊瑚の原木は「ヒ」と呼ばれる縦方向の筋目状のひび(クラック)ができます。
そのほかにも珊瑚は海中で成育しているため、フジツボ等の貝や甲冑類など、様々なものが珊瑚に付着することがあります。その場合これらを巻き込みながら成長するため、加工の途中に巻き込まれたものが出てきます。これが不純物となったり、現れたものが取れて、その部分に凹やキズなどが出来たりします。これも天然ゆえの証となります。
お手入れにおける注意事項
珊瑚における注意点は真珠と同じで、お掃除・お料理・スポーツ・水辺でははずす。他の宝石と触れあわせないことがあげられます。
酸や汗、熱が苦手なので、それらを避けて使用してください!着用後には柔らかい布で優しく拭くことで心がけることで長く愛用できるようになるそうです。
お守りとして持っておきたい珊瑚ジュエリー
今回は、珊瑚の購入で注意したいことをご紹介してきました。サンゴと一口に言っても宝石用とそうでないものに分かれているのも驚きですね。ちなみに珊瑚は生命力を高めると言われており、赤珊瑚は特に『体を強く保つ』という石言葉があります。そのためお守り的に持っている方も多いそうです。ぜひこの機会に赤珊瑚のジュエリーを一つ持っておくのも良いかもしれないですね。