「同じ石」と勘違いしている方が多いレモンクォーツとシトリンの違いは?

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皆さんはシトリンと呼ばれる宝石はご存知でしょうか?和名では「黄水晶」と呼ばれる非常に美しい宝石です。日本人には非常になじみ深い水晶ですが、実はさまざまなカラーバリエーションを持っており、カラーによって名称が異なるのです。その中でも、近年人気になっている水晶でレモンクォーツと呼ばれるものがあります。レモンクォーツは、鮮やかな黄色をした宝石なのですが、実は、前述したシトリンとレモンクォーツは、そのカラーから同じ宝石だと勘違いしている人が多いのです。
そこで今回は、勘違いされる方が多い、シトリンとレモンクォーツの違いをご紹介します。

シトリンとは

59918_00シトリンは、比較的お手頃価格で販売されているため、産出量の多い宝石と思っている方が多いと思います。しかし、実は天然のシトリンというのは非常に珍しく、その産出量の少なさから市場に出回るようなことはほとんどありません。こう聞くと「巷で出回っているシトリンは何?」と疑問に思う方が多いと思いますが、実はお手頃価格で多くの方に人気のシトリンは、アメジストを加熱処理することにより作られているのです。ただし、シトリンの加熱処理に関しては、ルビーなどに施す加熱処理とは異なりマイナスなイメージはあまり持たれません。シトリンの加熱処理は「元の石をさらに綺麗な石に生まれ変わらせるため」に施されるものと見なされるからです。
それでは、シトリンがどのような石かというと、天然のシトリン(黄水晶)は茶色、褐色の色合いの物が多いのですが、現在市場に出回っているアメジストからなるシトリンは、レモンのような鮮やかな黄色を持つものから、ブラウン色が強い色合いまでが存在します。これは、加熱処理の仕方によって変わると考える人が多いかもしれませんが、実はアメジストの産地によって色合いが異なってくるのが原因です。なお、加熱処理で美しい黄色を持ったシトリンは、後々変色するようなことはなく、永続的に色が続きます。

レモンクォーツとは

20170624_8_00それでは、シトリンと勘違いされることが多い、レモンクォーツについても簡単に紹介しておきましょう。レモンクォーツの主な産地は、ブラジルやタンザニアなのですが、昔は日本国内でも産出していたと言われています。
このレモンクォーツは、非常に鮮やかな黄色を持っていることからシトリンと勘違いされているのですが、その黄色の発色原因は『硫黄微粒子』が混入しているためです。ちなみに、この理由から硫黄水晶などと呼ばれる場合があります。レモンクォーツは、硫黄粒子が含まれていることから、傷ついてしまった場合に、硫黄のにおいがするなどとも言われています。

シトリンとの違い

それでは、シトリンとレモンクォーツの違いをご紹介しましょう。ちなみにここでご紹介するそれぞれの違いは、天然のシトリンとレモンクォーツの違いです。
まず最初に、レモンクォーツとシトリンに関しては、どちらも鉱物名は石英であり、水晶ということに違いありません。こう聞くと、結局同じ物じゃんと思うかもしれませんが、実は、美しい黄色の発色原因が異なっているのです。

  • シトリンは、鉄を含有することで黄色を発色する
  • レモンクォーツは、硫黄を含有することで黄色を発色する

このように、シトリンとレモンクォーツは、色を発色する原因が異なるため、別の石だと言えるのです。これならだれでも納得できるのではないでしょうか。

まとめ

今回は、美しい黄色のカラーを持つことで勘違いされることが多いシトリンとレモンクォーツの違いについてご紹介しました。本稿でご紹介したように、この二つの宝石は、水晶であることは同じなのですが、それぞれのカラーの発色原因が異なるという明確な違いを持っています。ちなみに、シトリンの方が黄金のような強い黄色味を持つなど、見た目的な違いもありますので、並べてみればよくわかると思います。
ご興味がある方は、ぜひ手に入れてみてはいかがでしょうか?

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