グリーンの宝石には様々なものがありますが、その中でも最も有名な宝石と言えばエメラルドですよね。エメラルドは全宝石の中でも特に知名度が高く、ダイヤモンドやサファイヤと並んで宝石と聞かれたときには真っ先に出てくる宝石の一つです。
そんなグリーンの宝石の王様と言えるエメラルドですが、単純にグリーンと言ってもそのグリーンには濃いグリーンや淡いグリーンなど様々なものがあります。宝石のカラーは個人の趣味によって好きな物を選べばよいものですが、一般的に宝石はカラーの発色によってその評価額は大きく変わる物です。
そこで今回はエメラルドの特徴でもあるエメラルドグリーンの評価基準をご紹介したいと思います。
エメラルドとは
宝石名 | エメラルド |
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カラー | 緑 |
モース硬度 | 7.50 – 8.00 |
屈折率 | 1.56 – 1.60 |
比重 | 2.67 – 2.78 |
主な産地 | ブラジル、コロンビア、パキスタン、シベリア、ザンビア、ジンバブエ8 |
エメラルドはベリルの鉱物の中で緑色から緑青色の変種のものです。ベリルにはアクアマリンやレッドベリルなど他にも人気の高い宝石が多いです。
エメラルドの『緑の火』と形容されるカラーは微量のクロムとバナジウムそして鉄分が作り出しています。エメラルドの結晶は変成岩の中でゆっくりと成長します。そのため、母岩の中では成長の範囲に限界があるため大きなエメラルドとなると大変珍しく、見つかったとしてもとても高価になります。
エメラルドは、他のベリル種とは異なりインクルージョンや小さなひびが入っていることが珍しくありません。こういった内包物などは、その形が葉に似ていることからフランスでは「庭」の意味がある「ジャルダン」と呼ばれます。通常このジャルダンは宝石にとっては欠点とされますが、エメラルドの場合は天然の宝石との証明や、個性として評価されます。
エメラルドグリーンの評価基準
美しいグリーンを形容するときには皆様も「エメラルドグリーン」と形容することが多いのではないでしょうか。エメラルドのグリーンはこのように他に比類するものがないほど美しいと言われるものですね。しかし、エメラルドも天然石である以上、そのカラーには個体差があります。このカラーの個体差はエメラルドの評価基準の大きなポイントとなっており、エメラルドの評価は基本的にカラーとクラリティーによって決まります。
カラーによる評価の違い
エメラルドのカラーは、そのグリーンの鮮やかさとグリーンの濃さから判断されます。エメラルのグリーンは濃いものほど評価が高くなり、薄いグリーンに近づくほど低評価になります。特に淡いグリーンの物はグリーンベリルとの判断を受けます。
鮮やかさの面で考えると、黒っぽいグリーンのエメラルドは評価が低く、黒味がない鮮やかなものほど高評価を受けます。
まとめ
今回はグリーンの宝石の代表ともいえるエメラルドのカラーによる評価の違いをご紹介してまいりました。エメラルドの緑色は美しい緑の形容詞である「エメラルドグリーン」にも使われるほど美しく、宝石としても最も人気の高いものの一つです。
因みにエメラルドはベリル種の一種で、そのグリーンの発色要因にはクロムとバナジウムそして鉄分と上述していたしました。その中でもグリーンの発色要因が酸化クロムのベリルをエメラルド、他の物が発色要因のベリルはグリーンベリルと区別することが推奨されています。ただし、現状では、酸化クロム以外の物が発色要因になっているものでも、そのグリーンの発色によってエメラルドとして販売されています。
どちらにせよエメラルドはグリーンの宝石の王様と言われるほどの宝石なので、ぜひ手に取ってその美しさを楽しんでいただきたいです。