古くからカメオの材料に愛用されてきたサードニクスとは?

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皆さんは『サードニクス』という宝石をご存知ですか?このサードニクスは、オニキスの一種に分類されるもので、主にオレンジ~紅色の層と白色の層があり並行に縞模様が現れるものがサードニクスです。宝石としてこの名前を知っている人は少ないかもしれませんが、この石は古くからカメオ(浮彫)等の装飾品や食器、彫刻品等のインテリア小物に用いられていたものです。
今回は、そんなサードニクスについてご紹介したいと思います。

サードニクスの特徴

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名前/英名 サードニクス/Sardonyx
和名 赤縞瑪瑙(あかしまめのう)、紅縞瑪瑙(べにしまめのう)
カラー 赤、オレンジ、赤褐色、白
モース硬度 6.5-7
主な産地 アメリカ、ブラジル、中国、南アフリカ、インドなど

サードニクスは、上述の通りオニキスの一種で、石英グループの変種である『カルセドニー』に属するアゲート(瑪瑙)の一種となります。そして、このアゲートの中でも、特に縞模様がはっきりと出現しているもので、その縞模様が平行に現れるオニキスの中で、オレンジ~紅色(赤色系)の層と白色の層が縞目を作っているものがサードニクスと呼ばれます。
サードニクスという名称がついている主な理由には二つの説があり、一つは「アナトリア半島のリュディア地方で栄えた国家の首都”サルディス(Sardis)”」からとられているという説と、『ギリシャ語の茶色を意味するサード(Sard)と爪を意味するオニュクス(Onyx)が君合わさっている』という説です。

オニキスとの関係

最近では、サードニクスよりもオニキスの名前のほうがよく聞くという方は多いかもしれませんね。近年、日本国内ではパワーストーンも非常に一般化しており、オニキスもパワーストーンとして非常に多く流通しています。実はサードニクスの赤色の部分が黒色に置き換わっているものはブラックーサードニクスなどとも呼ばれることがあるのです。本来、オニキスとは黒と白の縞目のあるアゲートの事指しているため、前述した『ブラックサードニクス』はオニキスなのですが、パワーストーンショップが多い日本国内では黒一色の物がオニキスとして販売され、それが一般化してしまったため、それと分けるために現在でも『ブラックサードニクス』と呼ばれることが多いです。

サードニクスの価値とお手入れ方法

colorfulサードニクスは非常に産出量が多い宝石ですので、「宝石としての価値は?」と考えるとそこまで高いわけではなく、意外とお手頃価格で手に入れることが可能です。また、産出時には多くの石が褐色味を帯びて採掘されるため、加熱処理といったトリートメントを施されて色調を調整されている物が多いです。
サードニクスのお手入れで注意が必要なのは、『潜晶質(せんしょうしつ)』構造のため、水などがしみこみやすく漬け置きなどでの洗浄には適しません。また、紫外線に若干弱い性質があるため、保管時には太陽光が当たらない冷暗所で保管するようにしましょう。お手入れするときには、柔らかい布などで優しく拭くなどのようにしましょう。汚れがひどい場合には、中性洗剤を水に溶かした液を使い柔らかい歯ブラシなどで洗浄しましょう。洗浄後は乾いた布でしっかり水分は取ってください。

まとめ

今回は、古くからカメオやインタリオの材料として使用されてきた宝石サードニクスについてご紹介しました。サードニクスは上でもご紹介した通り、色が変わると皆さんご存知のオニキスと呼ばれるように産出量も多く、そこまで高額な宝石ではありません。しかし、赤色と白色の層が織りなす独特な縞目模様は非常に美しいものがありますので、普段使いの宝石としてはとてもお勧めかもしれませんね。また、アンティークジュエリーなどがお好みの方であれば、知らず知らずにサードニクスを材料としたカメオなどを持っているかもしれませんね!

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