古くから人々を魅了してきたラピスラズリは、地域によってその呼び名が違うにしろ、その美しい夜空にもたとえられるようなブルーで珍重されてきました。近年では、パワーストーンとして日本国内ではおなじみの石となっていることもあり、安価な宝石の代表と思っている人も少なくないのではないでしょうか?しかし、ラピスラズリの中でも純粋な青色を持った高品質なものは、決して安い価格で手に入れることなどできないような人気の高い宝石でもあるのです。
それでは、高品質で高額な価格が付くラピスラズリとは、どのような特徴を持つものなのでしょうか?特にラピスラズリは偽物が出回ることも多い宝石でもあるので、今回は、良いものと悪いものの見分け方のポイントをご紹介していきたいと思います。
ラピスラズリの基本知識
ラピスラズリは、近年パワーストーンとしても非常に人気が高いため、街中でもよく見かける石として、皆さんも認識しているのではないでしょうか?しかし、注意が必要なのは、実はラピスラズリとは1つの天然石につけられた名称ではないという事です。このラピスラズリという名称は、『ラズライト・アウィン・ソーダライト・ノーゼライト』の4種類の鉱物が集合体となった岩石に対する名称で、中世ヨーロッパなどでは『サファイア』と呼ばれていた時代まであるのです。
因みにほとんどの方は「ラピスラズリ=青色」との認識を持っていると思いますが、実はこの色合いに関しても、ラズライトが主成分となり、その他の鉱物の構成比によってかなり異なってくるのです。例をあげて見ると、ラピスラズリを構成するときにパイライトと呼ばれる成分が含まれると表面が金箔を散らしたようにキラキラとなる、カルサイトが含有されると白い結晶が含まれるラピスラズリになるといった風に色合いが変わるのです。
もちろん、ラピスラズリの中で高い評価を受けるものは、皆さんのイメージ通りの混じりけのない純粋な青色を示すものであり、グリーン味のある物やパイライトが含んでチカチカするものは評価が下がります。
良いものと悪いものの見分け方
それでは、ラピスラズリの良しあしを見分ける方法をご紹介しましょう。ラピスラズリは上述したように様々な色合いを示すものですが、純粋な青色を示すものでも、青の色が明るいものや濃い青色をしたものまで様々です。しかし、純粋な青色であれば、そこまで大きな価値の差が出ることも少なく、基本的にどのような色でも需要があるのです。この場合に、非常に重要になるのが、ラピスラズリの青色が『天然の色かどうか』という事です。このような「天然かどうか」という検査はアセトン検査と呼ばれる検査をすればわかるものですが、購入時に店頭でこの検査を行うわけにはいきませんね。そこで、気に入ったラピスラズリを購入する場合には、しっかりと鑑別書が付いたものを選ぶようにしましょう。
次に、ジェムクオリティのラピスラズリの条件となるのは、色の濃いや薄いに関係なく『深み』を感じる色合いなのかという点です。イマイチわかりにくい表現になってしまいますが、石全体にブルーが広がっているような『深み』を感じるものを選ぶようにしましょう。
まとめ
今回は、夜空に例えられるほど美しいブルーを持ったラピスラズリについてご紹介してきました。本稿でもご紹介しているように、ラピスラズリについては、パワーストーンに利用されることも多く、非常に安価なものだとイメージしている方も少なくないでしょう。しかし、ラピスラズリの中でも純粋な青色を持ったものに関しては、非常に評価が高く決して安く購入できるような宝石ではないのです。
ラピスラズリは、数十年前までは、比較的に産出量も少なく非常に高価な宝石だったという歴史もありますし、昔であれば、王侯貴族でしか所有できないような非常に高額な宝石として扱われていた時代もあるのです。その為、歴史的な絵画などにもラピスラズリが描かれていることも多いのですよ!
純粋な青を持ったラピスラズリは、本当に夜空のように美しい宝石ですので、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか!