今回は宝石の中でもトップクラスに人気の高いデマントイドガーネットについてご紹介したいと思います。デマントイドガーネットはガーネットの中でもアンドラダイトに属する宝石で、特徴のある緑糸が非常に人気が高い宝石です。ガーネットは基本的に人気が高い宝石で皆さんも一度は聞いたことがあるかと思いますが、その中でもデマントイドガーネットは特に希少価値が高く市場にほとんど出回ることもないので幻の宝石とも言われています。
今回はそんなデマントイドガーネットの評価基準をご紹介します。
デマントイドガーネットとは
宝石名 | デマントイド・ガーネット |
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和名 | 灰鉄ばんざくろ石 |
カラー | 緑~薄黄緑色 |
モース硬度 | 6.5-7.5 |
屈折率 | 1.76-1.82 |
ガーネットは和名でザクロ石と呼ばれる美しい赤色で、19世紀のヨーロッパで大流行した宝石です。そのガーネットの中でも最も希少で人気が高いものがデマントイドガーネットです。デマントイドガーネットはクロムを含むことにより独特な黄緑系の色を発色する宝石ですが、この宝石はロシアのウラル山脈で初めて発見された宝石です。デマントイドは、ダイヤモンドのように強い輝きを放つことが特徴で、そのことから『ダイヤモンド(オランダ語でDemant)に似た』ということを由来にデマントイドと名付けられたそうです。
また、この宝石は数多くあるガーネットグループの中で最高の屈折率を持つことも特徴で、その屈折率は測定器で測定不能になるほどです。さらにデマントイドガーネットは非常に高い分散率も持っているため、ダイヤモンドの輝きに全く引けを取らない数少ない宝石で、まさにガーネットの王様と言える宝石です。
デマントイドだけが持つホーステイルインクルージョン
ロシア産デマントイドガーネットは繊維状に石の内部に割れが見える独特のインクルージョンを持っています。この内包物は馬のしっぽに似ていると言われ、ホースインクルージョンと呼ばれます。このホースインクルージョンはデマントイド独特の現象で、宝石の中心から外側に向けて、放射状やフラッシュ状に繊維が広がるもので、これは蛇紋石族(サーペンチン族)に属するクリソタイルという繊維状の鉱物です。デマントイドガーネットはこのホースインクルージョンの位置や形状により大きく価値が変わります。
デマントイドガーネットの評価
デマントイドは上述したようにホースインクルージョンの有無やホースインクルージョンの形状・位置などで大きく評価が変わります。その他の評価基準としては他の宝石同様カラーがとても重要です。デマントイドガーネットの緑はクロムを含有する事によって発色しており、そのカラーは緑色から黄色味が加わった黄緑色があり、色の濃淡や透明度によって価値が変わります。デマントイドガーネットで最もグレードが高いと言われるのは、純粋な緑色であるビビットグリーンで、インテンス・グリーン、ファンシーグリーンと彩度のが弱まるほどグレードも下がります。ちなみに黄色味や褐色の色味が加わるほど価値は下がります。
まとめ
今回は宝石の中でも特に人気の高い宝石デマントイドガーネットについてご紹介しました。デマントイドガーネットは上でも紹介した通りホースインクルージョンやカラーの発色が評価基準になります。しかし、インクルージョンは内包物なわけですからルースの中では輝きに邪魔な存在になり、この二つを両立するのは非常に難しいものです。その為、デマントイドガーネットを選ぶ時には、ホースインクルージョンが入っていることを重視するのか、デマントイド独特のキラッとしたグリーンの発色を重視するか自分の好みで決めるといいのではないでしょうか!