「皇帝の宝石」と言われるアレキサンドライトの品質評価基準は?

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「昼のエメラルド」、「夜のルビー」と形容されるアレキサンドライとという宝石はご存知ですか?ロシアでは『皇帝の宝石』とも呼ばれる非常に希少な宝石で、この宝石は日光の下では緑がかった青色から深緑を発色し、ろうそくなどが当たると深紅系や赤紫、オレンジ色を発色する不思議な宝石で宝石愛好家の間では非常に人気の高い宝石です。
今回はそんなアレキサンドライトの評価基準にスポット当ててみたいと思います。

アレキサンドライトとは?

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宝石名 アレキサンドライト
属性 クリソベリル
モース硬度 8.5
屈折率 1.74 – 1.76
比重 3.70 – 3.78
産地 スリランカ、ブラジル、ロシア、インド、タンザニア、マダガスカル

アレキサンドライトはクリソベリルの変種で1830年、ロシア帝国ウラル山脈のエメラルド鉱山で初めて発見されました。発見された当初、日光の下では青緑を示していたこの宝石は、夜の人工照明下では赤色に変色し、他の宝石にはないこの特徴に驚いた発掘者は当時のロシア皇帝ニコライ1世に献上したそうです。そして皇太子アレクサンドル2世の名前からアレキサンドライトと名付けられたと言われています。
アレキサンドライトは微量の鉄、クロムなどの不純物を含みます。アレキサンドライトの最大の特徴である変色はこのクロムを含有するからです。太陽光や蛍光灯などの青緑色系スペクトルが強い光の下では暗緑色を示し、白熱灯や蝋燭などの赤色系スペクトルの下では赤色に代わるのですが、この現象は黄色系を吸収するクロムのせいなのです。
因みにどれだけ美しく宝石質のクリソベリルだとしてもこの色変化の現象を持たないものはアレキサンドライトとは認められません。この色変化の現象は変色効果、カラーチェンジ、アレキサンドライト効果等と呼ばれます。

アレキサンドライトの評価基準


アレキサンドライトの最も重要な評価基準はもちろんアレキサンドライト効果とも言われるカラーチェンジです。上でも書いた通りそもそもこのカラーチェンジがないとアレキサンドライトとは認められませんが、評価基準としては「どれだけはっきり緑色から赤色へ変色するのか」が重要視されます。下でその他の評価基準もご紹介します。

アレキサンドライトは『緑色はエメラルドには及ばず、赤色はルビーには及ばない』とも言われますが、上質な物はクリアで美しいものもたくさんあります。カラーを選ぶ場合は茶色がかった赤色や、くすんだ緑色の物は評価が低くなります。良質と評価されるものは彩度が強いもので、太陽の下では青みがかった緑色~緑色、白熱光の下では赤色から紫がかった赤色を示すものです。

クラリティ

アレキサンドライトはその鉱物の特性上インクルージョンが入りやすい宝石です。評価的にはインクルージョンが少ないものの方がやはり評価が高くなります。ただし、インクルージョンが平行に並んでいるキャッツアイ効果を持つ者は評価が高くなります。

大きさ

アレキサンドライトは色の変化が最も大きくなるようにブリリアントカットのクラウンとステップカットのパビリオンからなるミックスカットにされることが一般的です。しかしカットを施すとほとんどが1カラット以下の小さいものになります。そのため大粒でサイズが大きいほどその評価は高くなります。

まとめ

今回は『皇帝の宝石』とも言われるアレキサンドライトの評価基準に注目してみました。
アレキサンドライトは他の宝石でには無い、光の種類によってカラーが変わる特別な効果を持った宝石で、非常に希少価値の高い宝石です。昼間と夜では違う顔を見せるアレキサンドライト、是非アレキサンドライトが見せる美しいカラーチェンジの美しさを体験して頂きたいです!

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