スピネルのお手入れとクリーニング時に注意しておきたいポイント

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今回は、近年非常に高い人気が出てきている『スピネルのお手入れ』についてご紹介したいと思います。スピネルは、ルビーやサファイアを構成する鉱物である「コランダム」鉱床の近くで採掘される宝石で、長い間ルビーやサファイアと勘違いされていた宝石です。しかし、このスピネルは、『ほぼ全ての色が揃う』と言われるほどのカラーバリエーションを持っており、前述した2つの宝石と比較すると、お手頃価格で手に入れることができることもあり、ファンの多い宝石となっています。
皆さんの中にも、いくつかスピネルをあしらったジュエリーをお持ちの方もいるかと思いますので、本稿では使用後のクリーニングの際に、知っておきたいポイントをご紹介します。

硬度と靭性(じんせい)について

20171030_4_00まずは、スピネルの硬度と靭性について簡単に触れておきましょう。宝石の硬度は、一般的にモース硬度で測定されるものですが、硬度と呼ばれる名称からわかるように「どれだけ硬いのか?」ということを表すものです。硬度についてもう少し詳しく説明すると、『1つの鉱物が他の鉱物によって傷つけられることの相対的な容易性または困難性』と表現されます。つまり、宝石箱に複数の宝石を入れておく場合、その宝石同士がぶつかるまたはこすれた時には、モース硬度が低い物が傷つくということです。
靭性は、『たたき合った際に、どちらが割れたり欠けたりするか?』ということを表すもので、落としたり、ぶつけてしまったときの衝撃で、どれだけ割れやすいかを示しています。
これをふまえて、スピネルの硬度と靭性は、モース硬度8、靭性も良好で、耐久力の高いジュエリーに適した宝石と言えます。

スピネルのクリーニング時の注意点

149R39-1_00それでは、スピネルの日々のお手入れについて、いくつかの注意点いついてご紹介したいと思います。

薬品等への安定性について

スピネルは、基本的に光や化学薬品などにさらされても変色をしない安定性を持っています。しかし、一部のスピネルは、高温にさらされた場合、退色してしまうことがあるので、お手入れ時には注意が必要です。

器具を利用したクリーニングについて

スピネルは、超音波洗浄器やスチームクリーナーを利用したクリーニング方法でも、基本的には安全と言われています。しかし、フラクチャーのような特定のインクルージョンを持っているスピネルの場合、前述の機器を利用したクリーニングでは問題が生じる可能性が高くなってしまいます。したがって、ぬるま湯に石鹸をとかした石鹸水で洗浄するのが最も安全だと思います。

処理に関する注意点について

一部のスピネルは、見かけのクラリティを改良するためにフラクチャー充填処理がなされていることがあります。スピネルでは滅多に行われることはありませんが、この処理がなされている宝石の場合は、温かい石鹸水または湿った布のみを利用してクリーニングするようにしましょう。なお、スピネルは、色を改変する加熱処理が施されている時があります。この処理に関しては、通常の着用状態では安定していると言われています。

まとめ

今回は、近年非常に高い人気を誇っているスピネルのお手入れについてご紹介してきました。スピネルは、硬度も高くも靭性も良好であるため、ジュエリー向けの耐久性のある宝石といえるものです。したがって、クリーニングや保管する際にも、必要以上に身構えることないと思います。
しかし、耐久力のある宝石だからと、お手入れを疎かにしてしまうと、くすみなどでジュエリーの輝き落ちてしまう可能性があるので、着用後は乾いた布で必ず拭く程度のクリーニングは必ず行うようにしましょう。

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