ジュエリーによく使用される金属に『ピンクゴールド』があるのは皆さまもご存知ですよね。ピンクゴールドは、その可愛らしい色合いから、近年若い女性に非常に高い人気を誇ります。数年前までであれば、そこまで見かけることはありませんでしたが、最近のその人気の高さから、現在では『カルティエ』や『ピアジェ』といった世界の名だたるハイジュエラーからも、ピンクゴールドを使用した様々なデザインのジュエリーが発表されています。その為、結婚指輪や婚約指輪の金属として利用する方も非常に増えているのですが、ピンクゴールドの知識をきちんと持っておかなければ、後々後悔してしまう事にもなりかねません。
そこで今回は、ジュエリーにとって最も怖いことの一つ『金属の変色』について、ピンクゴールドを変色させないために注意しなければならないことをご紹介していきます。
ピンクゴールドの変色に注意!
まず知っておかなければならないことは「ピンクゴールドは経年劣化によって変色する事がある」という事です。確かに純粋なゴールド(24K)の場合は、経年劣化で変色をすることはありません。しかし、ピンクゴールドは、独特な色合いを出すために『割金』として銅・銀・パラジウムといった金属が含まれており、これらの性質により金の純度が高いものであっても、変色を避けることが出来ないものなのです。ピンクゴールドが変色してしまう主な原因は以下のようなものです。
『割金』の化学反応
上述の通り、ピンクゴールドは銅・銀・パラジウムを配合して作っています。したがって、ピンクゴールドに含まれる成分が化学反応を起こすことによって変色してしまう場合があります。
- 銅や銀・・・酸に弱く、油分、酸素、硫黄などと化学反応を起こす
上記の性質があるため、例えば、化粧品や皮脂などの油分、温泉の硫黄などと反応してしまい、茶系色に変化してしまうことがあります。さらに厄介なのは、酸素とも化学反応を起こす性質があるため、身に着けているだけで空気中の酸素と反応してしまい、酸化してしまう可能性があるという事です。最近では酸化防止のための加工が施されるようになっていますので、昔よりも変色が起こりにくいですが、「ピンクゴールドはいずれ酸化するもの」だと考えておいた方が良いでしょう。
ピンクゴールドの色が薄く感じるようになった
これは、明確には変色とは言えないのですが、ピンクゴールドのジュエリーは徐々に色が薄く感じるようになることがあります。色が薄くなる原因は、表面に顕微鏡でやっと見えるぐらいの小さなキズがたくさん入ってしまい、そのキズによって光が乱反射し、「薄く見える」状態が作り出されるのです。ジュエリーですので、身に着けていれば小さなキズが付くことは防ぎようがないものです。その為、色が薄いと感じるようになった場合、修理やメンテナンスに出してキズをなくしてもらいましょう。
変色させないためにはどうする?
それではピンクゴールドを変色させないためにはどうすれば良いのでしょうか?上述の通り、ピンクゴールドは空気中の酸素と反応し酸化してしまう可能性があるものですので、一生絶対に変色をさせないとなると不可能と言えるでしょう。しかし、出来るだけピンクゴールドの輝きを長持ちさせる事を考えた場合、普段の使用方法を注意するだけでもかなり差が出ると思います。
- 使用後にはきちんと拭く
当たり前の事ですが、これを行わない人が多いです。ジュエリーの使用後には、皮脂や化粧品が付着しています。それをそのまま放置すると化学反応を起こし、変色してしまうのです。したがって、常日頃から、ジュエリーの使用後には柔らかい布で拭くことを習慣づけましょう。 - 温泉に入るときは外す
温泉や入浴剤に含まれる硫黄で変色を加速させてしまいます。したがって、常に身に着ける結婚指輪などでも、変色させたくないのであれば外して入るようにしましょう。なくさないように小物入れ用のポーチなどを持ち歩くと良いですよ。 - 使わないときはきちんとかたずける
使用していないジュエリーをむき出しにして保管していませんか?これはどのタイプの物でも劣化を速めてしまいますので、きちんとアクセサリーケースを用意し、保管しましょう。その時には、他のジュエリーと接触しないよう仕切りがあるものが良いです。接触に関しては、使用中も十分注意して、ぶつけないようにしてください - 衣類の着脱時に注意
ネックレスなどの破損に関して、非常に多い理由が衣類の着脱時にひっかけてしまうという理由です。髪や衣類などに引っかかる可能性が非常に高い為、衣類の着脱前にアクセサリーは外すようにしましょう。
まとめ
今回は、最近女性に人気のピンクゴールドについて、ピンクゴールドが変色してしまう原因と普段から注意しなければならないことについてご紹介しました。
純粋なゴールドが変色しないものですので、ピンクゴールドについても変色しないと考えている人も少なくありませんが、本稿でご紹介したように割金として配合されている銅や銀によってピンクゴールドは変色してしまうものです。「変色したら修理してもらえば良い」と考えている人も多いのですが、ピンクゴールドの色合いがジュエラーによって微妙に異なるため、一般のジュエリー修理店では断られてしまうことも少なくありません。もちろん、購入店のハイジュエラーでの修理となると予想外に高額になるなんてこともありますので、出来るだけ変色させないように使用するほうがいいでしょう。
ピンクゴールドは、雑に扱ってしまうと、独特の輝きや色合いを失ってしまうものですので、大切に扱うように心がけてください!