『太陽の贈り物』を意味するへリオドール。実はゴールデンベリルと同じもの?

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皆さんはヘリオドールという宝石をご存知ですか?この宝石は人気宝石のベリル(緑柱石)の中でも黄色系の色を発色したものの事を指し、別名でゴールデンベリルやイエローベリルとも言われています。この宝石の名前『ヘリオドール』は太陽のように輝くその色から、ギリシャ語で太陽を意味する『ヘリオス(Helios)』と、贈り物を意味する『ドロン(Doros) 』を組み合わせて名づけられたと言われています。その為、ヘリオドールは『太陽の贈り物』とも言われ愛される宝石となっています。
今回はそんなヘリオドールにスポットを当ててみたいと思います。

ヘリオドールとはどんな宝石

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宝石名(英語名) ヘリオドール/ゴールデンベリル(Heliodor/Golden beryl)
和名 緑柱石
カラー 黄色系、黄緑系
モース硬度 7.5
主な産地 ブラジル、ロシア、ナイジェリア、ナミビア、マダガスカル

ヘリオドールは宝石の中でも非常に人気の高いベリル(緑柱石)の中で黄色系や黄緑系の色を発色する宝石の事を指しています。ベリルと聞けばレッドベリルやエメラルドなどを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、ヘリオドールという宝石名はあまり聞いたことがないという方も多いかもしれませんね。それはこの宝石が、黄色系の色合いからイエローベリルやゴールデンベリルなど色名を冠した名称で呼ばれることも多いからなのかもしれませんね。
ヘリオドールの『太陽の贈り物』とも言われるそのカラーは、3価鉄イオン(Fe 3+)が含まれることにより発色しています。主にアクアマリンなどとともにペグマタイト鉱床から産出されることが多く、産出される場合は六角柱状の大きな結晶で発見されることも多くあります。もちろん宝石質の物となると非常に少ない産出量です。

ヘリオドールの色の違い

ヘリオドールは上述した通り「ゴールデンベリル」や「イエローベリル」とも呼ばれますが、その違いとは何でしょうか?基本的に宝石業界内では『ヘリオドール・イエローベリル・ゴールデンベリル』の3種は厳密には別種の宝石であるという考えがあります。その違いはカラーによる分類で「ヘリオドール=黄緑系」、「ゴールデンベリル=金色系」、「イエローベリル=黄色系」といった感じで分ける考え方です。
ただし、この考えは業界の中で言われているだけで、鑑別の際にはこの3種を分ける線引きがないため、この考えが普及することは難しいのではないかと言われいます。

ヘリオドールの分類は単純にカラーで分類するのではなく、発色の原因で分類するという考え方もあります。これは鉄が発色の要因となるゴールデンベリルとイエローベリル、酸化ウランが発色要因のヘリオドールという分け方ですが、こちらも明確に分類できないものが多くあまり普及していません。

色の違いによる価値の違い

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ヘリオドールの価値は基本的に大粒で透明度の高いものほど高価値になります。カラーでの評価としては黄金色に近いほど価値が高く、次いで濃い黄色の物、黄緑色と価値は低くなって行きます。この宝石は淡い黄色の物や褐色がかったもの、インクルージョンが比較的多く透明度が欠けるものは比較的流通量も多くお手頃な価格で手に入れることが可能です。

まとめ

今回は太陽の贈り物と言われるヘリオドールについてご紹介しました。ヘリオドールは金色に近い黄色の物から黄緑色の物まで幅広い黄色を示す宝石です。また、そのカラーからゴールデンベリルやイエローベリルなどとも呼ばれるこの宝石は同じベリル系の宝石エメラルドとは違い、眩いほどの輝きを放ちます。キラキラと輝く宝石をお探しの方はヘリオドールを手に入れてみてはいかがでしょうか?

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